キャリア

プログラミングクラブCoderDojoのこれまでとこれから-宮島衣瑛さんにインタビュー

CoderDojoは、主に7歳~17歳の子どもたちを対象とした、プログラミング道場です。非営利のコミュニティで、参加費や会場費等の諸経費を徴収しないため、参加するハードルがとても低いことが特徴です。

今回は、一般社団法人 CoderDojo Japan 理事、CoderDojo Kashiwa 代表の宮島衣瑛さんに、CoderDojoの現在に至るまでの経緯や、特徴、今後の展望などについて、インタビューを行いました。

CoderDojoのこれまで

― CoderDojo Kashiwaは、2013年から始められていて、今年で7年目に突入するということですが、これまでの歩みはいかがでしたか。

ありがたいことに、日本の CoderDojo コミュニティの規模はどんどん大きくなっています。2013年当時は国内に10箇所ぐらいしかなかったんですけど、それが今では170箇所を超えるまでになっているので、ここまで成長してきたのか、と思うと感慨深いですね。

―そうですよね。Coder Dojoがここまで拡大することができた理由というのは、どういう所にあるとお考えですか。

誰でも手軽にDojoを立ち上げることができることだと思います。

CoderDojoを立ち上げる際には、CoderDojo憲章というグローバルルールに同意する必要があります。憲章には CoderDojo コミュニティの一員として守るべきことが書かれています。日本語に訳されたものを CoderDojo Japan のWebサイト(https://coderdojo.jp/charter)に掲載しているのでぜひご覧ください。この憲章さえ守れば、誰でもCoderDojoという団体名を名乗ることができるんです。

CoderDojoの運営にあまりお金がかからないというのも大きいかなと思います。
会場代も場所によっては無料で貸してもらえる所もありますし、基本的にはメンターはボランティアで参加しています。

あと、運営側の負担がないように設計されているのもポイントです。毎回こういう内容の学習をやりましょう、というようなカリキュラムは存在しなくて、自分たちの好きなようにプログラミングをやってもらうようにしています。僕たちは、そうした自発的な学習をサポートする役割に徹することにしています。

まとめると、Dojoを立ち上げようと思ったときに、下準備が全く要らないわけではないけど、そのハードルが低いというのが特徴です。

CoderDojoの特徴

―他には何か、CoderDojoの特徴はありますか?

プログラミングを単に学ぶだけじゃなくて、大人と子どもの共通の趣味としてのプログラミングを追求することができるのが、CoderDojoの面白味なのかな、と思っています。

―では、大人の方で、子どもと一緒に何かを学びたいということでCoderDojoに入ってこられる方も多いということですか?

そういう方が多いと思います。エンジニアリングの仕事をしているけど、子どもが好きで、子どもと一緒に何かをやりたいという方が多い印象です。

―活動の中で、子どもたちが成長していくなっていうことを感じられることはありますか?

例えば、CoderDojo Kashiwa の第1回をやったのは2013年5月。この時に参加してくれていた、小学校4年生の子がいたんですけど、その子はいまうちの会社にインターンに来てくれているんですよ。そういう、人と人とのつながりというか、その子自身の成長にも貢献できているところがめちゃくちゃ面白いなと。

あと、小学生の頃にニンジャ(CoderDojoでは参加者のことをニンジャと呼ぶ)としてDojoに参加していた子が、高校生になって、またメンターとして戻ってきてくれるという循環が生まれています。また、自分の住んでいる地域や自分の親しみのある地域でCoderDojoを立ち上げる高校生もいるんです。

子どものころにCoderDojoに参加してすごく楽しい思いをした人が、今度は自分が教える側に回る、あるいは運営する側の立場に立とうと、そういう発想をしてくれる子どもが多いということを感じています。

CoderDojoって、ただ単にプログラミングを学ぶだけじゃなくて、そういう地域の学びのコミュニティの1つとして機能している所があって、すごく好きなんですよ。

もちろんプログラミングのスキルの向上とかも当然見られますし、それはそれですごく面白いんだけど、それだけではないという所も、大事なポイントかなと思います。

CoderDojoは、2019年の時点で世界110ヵ国以上に1900以上の道場を開設していて、グローバルな展開をしているんですけど、それと同時に1つ1つの地域に根差した活動を心がけていて、実はすごくローカルな組織でもあるんです。グローバルに広がりながら、ローカルの深まりも目指しているという、両者を行き来しているところも面白いですね。

CoderDojoのこれから

―今後、Dojoをこの時期にここまで拡大したい、というような展望はあったりしますか?

Dojoの数については、やっぱり増えてはいくのだろうとは思うんですけど、CoderDojo Japan としては、そこまで数を増やすことに重きを置いてはいません。やりたい人が自発的にCoderDojoをやってもらえればいいのかなと思っています。

僕らとしては、例えばこの地域でCoderDojoをやりたい人がいますよ、ということをCoderDojo JapanのFacebookグループに投稿するといった形で、立ち上げを支援するということはできますが、CoderDojo Japanが主導で各地域にDojoを立ち上げるというのではなくて、あくまでもやりたい人が自発的にやってもらえればと思います。


この日は CoderDojo Kashiwa の定期的に行う発表会の日。成果を順に発表

プログラミングの必修化について

―また、2020年からプログラミングが必修化されますが、それにはどのように対応し、今後どういった道のりを歩んでいく予定を立てておられるか、お聞かせください。

僕としては、CoderDojoと学校の立ち位置の違いとして、学校はあくまでもプログラミングと出会う場所だと思っており、その後さらに知識や技能を身に付けていく場としてCoderDojoがあると思っています。

学校でプログラミングの入門をしていただいた後、もっと掘り下げたいという生徒がいた場合、学校のリソースだけでは支えきれないことも当然あると思うので、そこをサポートするのが、我々の役割になってくると思っています。

学校と比べたときのCoderDojoの魅力は、学校じゃないからこそ、いつ来てもいいし、都合が合わないときには来なくたっていいんですよ。好きな時に好きなことをやってもらうのに適した環境だと思いますね。

今後、CoderDojoコミュニティが拡大していく中で、求められる役割が変わってくる可能性もありますが、その場合は変化を取り込みつつ、CoderDojoのあるべき姿を追求していきたいですね。

CoderDojo Japan
https://coderdojo.jp/

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