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エンジニアが中国の深センとどう関わるか?高須正和さんにインタビュー

隣国である中国が発展し、中国から発信されるスタートアップやテクノロジーに関する情報が注目されるようになってきました。そこで今回は、中国に詳しい高須正和さんに「エンジニアがどのように中国の深センと関わるか?」というテーマでインタビューを行ってきました。 

高須正和さん Twitter

アジアのMaker Faireに、世界でいちばん多く参加している。日本と世界のMakerムーブメントをつなげることに関心があり、日本のDIYカルチャーを海外に伝える『ニコ技輸出プロジェクト』や『ニコ技深セン観察会』の発起人。MakerFaire 深セン(中国)、MakerFaire シンガポールの運営メンバー。

日本のエンジニアが深センで働くことについては?

中国語の話せない普通の日本人の就職先としては難しい部分があると思ってはいます。深センは大変な人手不足で、中でもエンジニアは不足していますが、じゃあ日本のエンジニアがいきなり深圳で働けるかというと、中国は人口がとても多く、あらゆる職種が中国語ネイティブだけで埋め尽くされているのが現状です。

中国語を話せるという意味では、シンガポール、台湾、香港人も多いので、日本人は中国語のスキルの面で壁があると思います。アメリカではさまざまな職種で日本人が働いていますが、そう言うのとは違うと感じます。 

日本のマーケットに向けた、中国のウェブサービスといった、「日本人」特有の仕事といった可能性はあるのではないかと思いますが、やはり日本へのローカライズ担当になってしますので、メジャーな選択肢にならないと思うのが正直な見解です。日本人が英語並みに中国語を話せるようならないと厳しいでしょうね。もちろん中国も日本という大きいマーケットにはとても関心があるので、エンジニアのスキルに加え、中国語のスキルがあるのなら、深センは、大きな可能性がある場所なのではないかと思います。 

中国に学ぶならあまりメディアがアテにならない

深センは上海と同じように、無人コンビニであるとか、金融システムがおもしろいであるとか、そういう既に報道されますが、具体的な部分についてはかなり間違って伝えられています。特にテクノロジー技術に関しては深い部分まで、正しい情報を得ることは難しいですから、行ってみる、あるいは住んでみたほうがいいと思いますね。 

今だと、テクノロジーに関する技術は、テクノロジーに関して理解でき。中国語もできる人でないと、正しく情報を伝えることが出来ないと思います。そうした情報元はまだまだ少ないのが現状ですから、報道より現地で、実際に得た経験が重要になってくると思います。
深センでは、ハードウェアのスタートアップがしばしば注目されますが、最近は、むしろソフトウェアの方がハードウェアより話が大きく、そちらに移行しているような、印象を受けます。

私自身の話になりますが、中国のホテルで、二回財布を落としたのですが二回とも無事見つかりました。それは監視カメラがあるからです。

ホテルの廊下に監視カメラがあるので。従業員もホテルの廊下のものは盗まない。こういった部分は、行かないと分からないし、5年前ぐらいと今でぜんぜん事情が異なる話だと思います。日本だと監視社会ということだけに注目が集まることもありますが、カメラに対する見方も変わりましたね。体験を通して学ぶことは起業する上で、極めて重要な発想源になると思います。

中国はここ数年で注目が集まったが、今後5年とか10年後に中国はどのようになるか?

は、イノベーションを起こすには、「まじめに手を動かす」、つまり、うまいところに便乗するのではなく、一から手間をかけてサービスを作ることが、大事なのではないかと考えています。中国「まじめに手を動かしている」部分に関しては成長するのではないかと思いますし、実際そのようなサービスは近年たびたび現れては盛り上がりを見せました。 

シェアリング自転車もその例で、あのサービスは、たくさん「手を動かした」結果、生まれたサービスですね。「これまでなかったもの」を作る労働力というものは未来もきっと減りません。昔の中国は、他の国と比べた安い労働力を売りに成長を重ねてきましたが、2014年から2015年くらいにかけて、他人がやってないことをやって、付加価値を生むようなサービスが、目立ってきました。

そのようなサービスが盛り上がりもすれば消えていくこともあると思いますが、そのようなサービスが表れ消えていく繰り返しによって、経済やコミュニティは規模を大きくしていくと思います。その意味では日本のエンジニアも、中国の深センから始まる色々なサービスを体感して、いろいろ作ってみて研究することが大事ですよね。