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渋谷区タブレット規制の現状。IEだけに制限でScratchが禁止!日本のプログラミング教育は大丈夫?

ITコンサルタントの茂田克格さんにインタビュー

もうすぐ義務教育において、プログラミングの必修化が行われます。そんな中、東京都渋谷区がタブレットを配布することが話題になりました。

ただ、このタブレット配布にもいくつかの問題があるとのことで。その問題についてITコンサルタントの茂田克格さんにインタビューしてきました。

茂田克格さん
30年ほど、IT・IoTのコンサルの仕事に従事。STEM教育にも詳しい。
子供が4人いて、上の子が高校3年生下が小学3年生で、子供達は渋谷区で育ている。
ブログ:http://shigeta.com/?pid=1
Twitter:https://twitter.com/shigezo

渋谷区のWindowsタブレット配布について

渋谷区はWindowsのタブレッドを配布していて、とにかくみんなが使える環境を作ってるんですよね。ようやく「PCが一人一台ない、どうするの?」というレベルは超えたかなと思っています。それは素晴らしいことだと思います。

ただ、2020年からプログラミング教育が始まりますよね?2020年って来年で、すぐにやってきます。

PCを使った二つの教育

まず、PCを使った教育って、PCを使って国語や算数などの勉強を教える教育か、プログラミング教育か、この2つ分けられると思います。

実際どちらにも価値があるので、両方とも活用していくべきだと僕は考えています。
昔みたいに授業で一人ずつ「はい!はい!はい!」と元気に手をあげ椅子から立ち上がり、喋って座るということをやっていては、どんどん世界から置いてかれてしまいます、今の子供達のスピード感を鑑みてもそうです。
普通の算数や国語の授業だと、全員が一斉に発言することはできませんよね?でも、PCを使うとみんなが一切に答えをだすことができるので、
クラスの35人の答えが画面に一気に表示させられるんです。そういう使い方をして勉強に活かして欲しいと思っています。

2つ目は、プログラミング教育の根本的な意義についてです。プログラミング教育について誤解している人って意外と多いのですが、
実はプログラマーを育てようという話ではありません。そうではなく、誰もが必要な現代的なスキルであり、現代的な感覚を身につけるための学習なんです。
授業で技術・家庭で本棚の作り方を学んだから、みんな家具職人になるのかといったらそうではないですよね?
その意味でプログラミング教育いらないんじゃないかという人の話を聞くと、僕は別にそうではないと思います。

タブレットに対する制限。ブラウザはIEだけに

うちの中学生の息子から聞いた話だと、渋谷区のタブレットはWindowsで、タブレット系のMCPを使っています。速度は遅いですがWindowsが動くようになっています。
タブレットにはSIMが入っていて、それを使って制御を行い、生徒が使える時間を制限する仕組みになっています。
ただ、うちの子や他のPC使ったことある子たちが「これタブレット内の時間を変更したらいつでも使えるじゃん!」ということを発見しちゃったんです(笑)
つまり、設定時間を変えたらいつでも使えるようになったということです(笑)

子供が授業中にゲームしたりYouTube見たりできないように、ブラウザを制限しようとしてたんですが、そうすると子供達はほとんど私の知らないようなブラウザを探してきてインストールしてきて、制限を抜けてYouTubeを見てるわけなんです。

どうやらこれはまずいことになった….ので最終的に制限がかけやすいIE( Internet Explorer)になったそうです。
もちろん僕は管理者ではないので、はっきりとどこに問題があるとは言えないんですが、ただ様々な経緯があってIEに制限しなければいけなかった事情は知っています。

プログラミング言語学習環境Scratchが禁止!?

ところで「Scratch」というサービスを知っていますか?MITが開発した教育プログラミン言語環境のことです。


うちの中学生の子供も、小学生の子供もScratchが好きで、自分の作品を100以上持っています。Scratchは言語であると同時に、ソーシャルネットワーク的な機能もあわせ持っていて、他の人の書いたソースを起こして自分で改善して、どんどん広げられることもできます。これは非常に学習に対して効果が高いと言えます。人が書いたものを見て、その中で「いい・悪い」を学んでいけるのです。

例えば「シューティングゲーム」を作りたい時、どれだけ少ないブロックで実現するか考えると思います。まさにこのフローこそ、プログラミング学習で重要な部分です。
シューティングゲームを作りたいという動機付けがまずあって、実現するためにはどうするかという問題に直面し、問題を解決する、これを子供達が自分でやることができるのがScratchです。

Scratchは、ローカルで動くアプリケーション型になっているエティタとブラウザで動くものがあります。

実はブラウザで動くものに関しては、この1月からリリースされたVer3.0からIEに対応してないんですよ。
マイクロソフトのエンジニアも「IEはそろそろやめて欲しい」といった内容をブログで表明しています。今やIEはそういうポジションにいるんです。

経緯とかを省いて、結果だけ見ますと渋谷区のタブレットはScratchが1月から禁止されました。日本って子供達のために大金かけてタブレットを配布、そのタブレッドではScratchが使えない措置が取られている!って、どう思いますか?直接的に禁止したわけではなく、事情があるのは知っているんですが…そうは言っても結果は同じことですよね。

Scratchが使えない状況をどうしたらいいのか?

実は簡単な話です。Google Chromeにすればいいんですよ!
実際Chromeでも制限はできるので、問題はないはずなんです。
実が学校のタブレットだけではなく、お役所の電子申請のサイトとか確定申告のサイトとかでもIEのみだったり、IEの古いVerでしか使えなかったりするんです。これは世の中の常識から乖離していると思います。
どうもお役所は「マイクロソフト社が出してるのがパソコンで、マイクロソフト社が出しているブラウザが標準である」という思い込みがあるようなのです。
Chromeは世界標準になっているはずなのに、世界標準が何であれ日本は関係ないみたいですね。これはもう人生観の違いなのかもしれません(笑)

まとめ

上記のインタビューを行って、教育現場自体も変わっていかなければならないと改めて感じました。このブログメディアではこうした問題点や現場の声を引き続き届けて行きたいと思います。