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プログラミング教育事業を通じて人を育てたい!TFabWorks代表・高松基広さんにインタビュー

プログラミング教育事業を通じて人を育てたい!TFabWorks代表の高松基広さんにインタビュー

TFabWorksは、「micro:bit」を簡単に楽しむためのキットや、60度のお湯で自由な形にできる「手びねりプラスチック」扱っています。

今回は、TFabWorksを運営する株式会社ベクレルセンターの代表取締役・高松基広さんに、商品を作ったきっかけから、今後の展望まで幅広くインタビューさせていただきました。

プログラミング教育業界に携わるようになったきっかけ

―TFabWorksがプログラミング教育業界に携わるようになったきっかけを教えてください。

プログラミング教育業界に携わるようになったのは、CoderDojo柏を手伝うようになったのが最初のきっかけです。その時はメンターとして参加していたのですが、娘も一緒に参加させていました。

最初は良かったんですが、途中で娘が行きたくないと言い出してしまって、CoderDojoに関わっていなかった時期がありました。でもプログラミングやもの作りが好きだった自分自身がやっぱりやりたくなってしまって、守谷(茨城県)にCoderDojoを作りました。

TFabWorksの商品・micro:bitと手びねりプラスチック誕生の経緯

CoderDojoではScratchを採用しているところが多いのですが、僕ははんだごてで育った世代だったので、やっぱり子どもたちとハード系をやりたいと思っていました。そんな時に、ちょうどmicro:bitが出ることを知って飛びつきました。

micro:bitを教えてみて、これは子どもたちでもできるなと思ったのですが、スピーカーが搭載されてなかったり、電池ボックスが邪魔になったりと子どもたちが遊ぶには不便なところがあり、それなら自分で作ろうと思ったんですね。最初まわりの子どもたちに教える用として作っていたんですが、人に「アマゾンで販売してみたら?」と言われて試しに売ってみたら好評で、今のTFabWorksの商品となりました。

―TFabWorksは他にも手びねりプラスチックという商品も売られていますよね。

手びねりプラスチックはTFabWorksのスタートになった商品です。もともと自由樹脂を売っていた会社がありましたが7、8年前に撤退してしまったんですね。自由樹脂とは60℃以上のお湯で柔らかくなり、冷えると固まるプラスチックです。そこで自由樹脂の代わりに3Dプリンターでものを作っていたのですが、3Dプリンターで作品を作るとモデリングと造形にすごく時間がかかるんです。

ちょっとしたアイデアを手でこねて作れるという意味で自由樹脂はすごくよかったのですがなくなってしまったので、じゃあ僕が売るか、と売り始めたのがスタートですね。

micro:bitへの取り組み

micro:bitにどんどんのめり込んでいったのですが、micro:bitの日本語の本が全然ないことに気づきました。それなら自分でkindleで出版しようと思って、Kindle版の本を書いたんですよ。

そうしたら技術評論社さんに見つけていただいて、「技術評論社から本を出版もしませんか?」と声がかかったのが一昨年でした。結局出版までに1年以上かかったのですが、昨年12月に「micro:bitであそぼう! たのしい電子工作&プログラミング」という本を発売できました。

また、一昨年micro:bit財団のコンテストがあり、そこに試しに応募してみたら入賞し、ロンドンで開催されたBett Show 2018に作品を展示する事になりました。

調べてみたらヨーロッパ最大のエデュケーションの展示会だと分かり面白そうだと思って行きました。その展示会中に財団のCOO Kavitaさんと話す機会があり、アジア担当のWarisと共に日本で広めて欲しいと頼まれたんです。

その展示会のmicro:bitのブースのところに子どもたちがいたんです。子どもたちは自分の作ったmicro:bitの作品を展示して説明していました。彼らは香港の子どもたちで、話を聞くと香港はすごくmicro:bitが広まっているとのことでした。アジアだと香港とシンガポールと台湾はすごく普及しているんだけど、日本はあまり広まっていない、ということを教えてもらいました。

―海外に比べると、micro:bitは日本ではあまり広まっていないのですね。

そうなんです。帰国後、どうやって日本でmicro:bitを広めようかと考えていた時、ある電話がかかって来たんです。電話の相手は港区の小学校の理科部会の先生でした。

その電話がきっかけで、トントン拍子に港区の小学校の先生を集めてmicro:bitの講習会をやることになったんです。

講習会を通じて色々話を聞いて行くうちに、micro:bitは素晴らしいけれど授業をするにはここが足りないとか、こうした方がいいなど多くのアドバイスをいただだきました。そのアドバイスをもとに作ったのがTFabWorksの製品群になります。

プログラミング教材「プログル」の取り組み

―みんなのコードさんと、スイッチエデュケーションさんと共同でプログラミング教材「プログル」を開発されましたね。

これはプログラミング教材「プログル」の新たなシリーズとして「6年理科電気キット( https://proguru.jp/science )」を共同開発させて頂きました。

弊社のmicro:bit関連商品はアマゾンで販売していたのですが、学校を通じて子供達の手には届かず悩んでいました。そんな中、みんなのコードさんから一緒に開発をしませんかとお声掛けを頂いたんです。

来年から小学校でプログラミング教育が必修になるのですが、このキットを通じて、検出・制御が簡単に出来たという経験の引き出しを持ってもらえる事を期待しています。

今後の展望

―今後の展望はいかがですか?

多くの方の努力により小学校でmicro:bitは広まりそうな手応えを感じつつありますが、中学校ではまだまだプログラミング教育自体が進んでいないという状況です。

次は中学校の授業をターゲットにmicro:bitを提案していきたいと思っています。あとは、micro:bitをインターネットにつなげる製品やUSBが禁止になっている学校でも授業が出来る製品も開発中です。

日本の政治家、後藤新平が残した「金を残して死ぬも者は下だ。仕事を残して死ぬ者は中だ。人を残して死ぬ者は上だ。」という名言があります。私は50才まで、人を残す事に背を向けていた人間でした。この名言を聞いて、残りの人生は人を残せたらいいなと思い、プログラミング教育に関わっています。

僕が30年前にプログラマー目指した時は、日本はトップでした。開発するモノは全て日本製でした。でも、今はもう日本製じゃないですよね。

子供たちがプログラミングを学ぶことを通じて、引き出しの数を増やすことが、この日本の現状を変えることに繋がっていくのではないかなと思っています。

TFabWorks公式
https://tfabworks.com/